
言わずと知れた、松本市のシンボル。江戸時代から残る城のなかで、国宝に指定されているのは全国で5つだけ。当時の状態のままの天守を残すわずか12の現存天守のひとつでもあり、そのなかで日本最古の五重六階の天守でもある。
写真提供:松本城管理課さらに、現存天守で唯一、起伏のない平地に築かれた平城で、防御のために周囲に3重のお堀が設けられているのも特徴。2006年には「日本100名城」にも選ばれた。
写真提供:松本城管理課なかでも注目は、豪壮な雰囲気を放つ漆黒の外観だ。外壁に黒漆が塗られており、毎年塗り替えられてその美しさが保たれている。壁面には白漆喰も塗られ、黒と白のコントラストが素晴らしい。
背後に広がる雄大な北アルプスがお堀の水面に映る様子は、松本城ならではの絶景だ。
写真提供:松本城管理課城の西側に架けられた「埋橋」からは、赤い橋と漆黒の城の鮮やさの対比が楽しめる。
写真提供:松本城管理課お堀に生息する白鳥の姿とともに楽しみたい。
写真提供:松本城管理課また、天守は毎日日没から22時までライトアップされ、昼間とは違う表情を楽しめる。
写真提供:松本城管理課ルーツは、戦国時代初期の1504年頃の築城といわれる深志城。その後、戦国の動乱を経て、名を松本城と改めた。
戦国期の櫓は戦闘に備えたシンプルな装飾で、狭間や石落などの迎撃設備が施された一方、泰平の江戸時代にも増築が行われ、優雅な雰囲気の櫓も建てられている。
写真提供:松本城管理課異なる時代の建物が複合された天守群は国内唯一。「連結複合式天守」と呼ばれ、松本城の歴史的な特徴だ。
写真提供:松本城管理課変化に富んだ四季折々の美しさも魅力。春は桜の名所として知られ、本丸庭園を夜間無料開放する「夜桜会」も開催される。
写真提供:松本城管理課天守の閉場時間が1時間延長される夏季期間中は、和装での来場者が入場無料に。また、「太鼓まつり」や「薪能」などのイベントも。
写真提供:松本城管理課秋は紅葉が美しい季節。銃声が鳴り響く「古式砲術演武」や、約500鉢が出展される「菊花展」など、11月3日の松本市民祭を中心にさまざまな行事が行われ、「お城まつり」として人気を集めている。
写真提供:松本城管理課冬は雪の白と漆黒のコントラストも幻想的で、雪からの保護のため、本丸庭園の花木に「わらぼっち」や「雪吊り」がかけられるのが松本城の冬の風物詩。
晴れた日には、澄んだ空と冠雪の北アルプスを望む松本らしい風景が広がる。
写真提供:松本城管理課1月下旬には「国宝松本城氷彫フェスティバル」を開催。全国の氷彫作家たちによる作品が一堂に会す恒例の祭典だ。2021年からは冬のイベントとして「松本市イルミネーション」も開始。レーザーマッピングで彩られた松本城がお堀に浮かび上がり、幻想的な雰囲気に包まれる。
写真提供:松本城管理課なお、二の丸にある「松本城公園」は入場無料で、本丸庭園と天守観覧は有料(大人700円、小・中学生300円)。天守内の平均観覧所要時間は約45分~60分が目安となる。内部は狭く、急勾配の階段が続くので要注意だ。
本丸庭園には毎日8時30分~16時の間、甲冑などの装束をまとった「国宝松本城おもてなし隊」が登場。無料で一緒に撮影もできる。

何度か松本城を訪れたことがあるなら、歴史や見どころをより深く教えてくれる無料のボランティアガイドもおすすめ(要事前予約)。参加者の希望に沿った所要時間・内容で、案内や解説をしてくれる。
写真提供:松本城管理課さらに近年は、最新技術を駆使した新たな試みも展開。携帯型端末向けVRアプリ「松本城VR(バーチャルリアリティ)」を使って松本城を訪ねると、江戸時代の姿を再現した仮想現実世界を画面越しに楽しめる。解説スポットも多く、歴史などの解説をアプリから聞くことができる。
写真提供:松本城管理課美しい佇まいだけでなく、歴史的にも見応え十分の不朽の名城。戦国時代から400余年の風雨に耐えてきた世界に誇る国宝の魅力を、今一度間近で感じてみたい。
■近隣ホテル・宿のお得なプランはこちら宿泊プランを見る
※プランを見るには会員登録(無料)が必要です。