
個性あふれるこだわりのビール造りで、クラフトビール好きなら知らない人はいないほどの人気を誇る「志賀高原ビール」。
200年以上続く老舗酒蔵「玉村本店」のビール部門として、地ビールブーム低迷期の2004年に醸造を開始した。

「この地ならではの、自分たちが飲みたいビール」を目指し、ホップの強い香りや苦みが魅力のIPA(インディア・ペールエール)という人気のビアスタイルを全国でいち早く確立。

自社で栽培したホップや酒米、ブルーベリーなどを使ったユニークなビールも醸造し、全国のファンを魅了し続けている。
味わいだけでなく遊び心も追求した少量多品種の限定ビールは、いずれも即完売の人気ぶりだ。

そんな「志賀高原ビール」直営のバー&レストランが、醸造元である「玉村本店」から車で数分、徒歩でも15分ほどの上林温泉にある「THE FARMHOUSE(ファームハウス)」。
温泉に浸かる野生のニホンザル「スノーモンキー」が観察できる人気スポット「地獄谷野猿公苑」の入り口にもほど近い場所にある。

木々や草花に囲まれた趣のある建物は、新一万円札のデザインとしても話題の実業家・渋沢栄一の孫が、1938年に東京に洋風木造建築を移築したもの。
2007年までは志賀高原にゆかりの文人墨客の資料館「志賀山文庫」として開館していたが、その後、「玉村本店」の所有になり、2017年に「THE FARMHOUSE」としてオープンした。

館内には良質の栗の木がふんだんに使われており、1階部分がカウンター席とテーブル席が設けられた店舗になっている。
「仕込中」と書かれた鉄扉は「玉村本店」の酒蔵で半世紀以上使われていたもの
サーバーで提供する「志賀高原ビール」の生ビールは最大13タップ。定番や準定番はもちろん、レアな限定品も並ぶ。
セレクトの中心は志賀高原ビールの代名詞ともいえるIPA系で、リリースされたものは、なるべくフレッシュな状態で提供している。

また、そのうち1タップは「玉村本店」が醸造した日本酒につながっているのも「THE FARMHOUSE」ならでは。その日に飲めるビールは黒板で確認しよう。

提供する料理にもこだわり、造り酒屋の塩麹を使った唐揚げや、ムール貝の志賀高原ビール蒸し、ビール衣のオニオンリング、ホップ薫るピクルスなど、「志賀高原ビール」ならではのメニューがずらり。
おつまみからお腹を満たす食事メニューまで揃い、信州米豚やきのこなど、長野県の食材も豊富に使われている。

週替わりのランチメニューもあり、本格的なエスプレッソマシンも導入されていて、カフェとしての利用も可能。観光地ながら地元の人にも足を運んでもらいたいとの思いで、価格設定がリーズナブルなのも嬉しい。

店内一角ではボトルビールやグッズも販売。「玉村本店」のアンテナショップとしての役割も。

さらに、「志賀高原ビール」の生ビールは、約150年前に建築された「玉村本店」の酒蔵の一部を改修したギャラリー「酒蔵美術館ギャラリー玉村本店」1階でも楽しめる。



生ビール2種の有料テイスティングと清酒「縁喜」の無料試飲が可能で、売店もあり、ボトルビールは定番から限定品まで揃う。「縁喜」も購入可能。他に、オリジナルグラスやグッズも販売している。

2階は美術館スペースで、日本画を中心に「玉村本店」に代々伝わるコレクションを展示。風光明媚な志賀高原には、戦前から横山大観が画室を構えたり、白州次郎・正子が保養に訪れたりしていた歴史がある。

展示作品は、伊藤深水、福田平八郎、山口華楊、上村松篁など、酒が縁で「玉村本店」を訪れた作家たちの作品だ。

隣接する工場には最新設備を導入。忙しそうに働くブルワーや蔵人の姿も見られる。

まさにビール好きにはたまらないスポット。「THE FARMHOUSE」から「酒蔵美術館ギャラリー玉村本店」までは1kmほどの距離なので、ぜひ周辺の温泉街や「地獄谷野猿公苑」などの観光地とあわせて楽しんでほしい。
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