松本駅周辺

美しいものが美しい―ものづくりの根底に触れる「松本民芸館」

2022年09月27日 更新

スポット
  • 公園・施設

松本民芸館

この記事を書いた人

ライター
山口敦子

広域松本圏の情報発信サイト「松本経済新聞」編集長。2005年から松本暮らし。寒さや乾燥、山並みが見える風景もやんわりと日常になってきました。


松本市街地から少し離れた閑静な場所にある「松本民芸館」。ケヤキやブナの雑木林を抜けた先に見えてくる、「なまこ壁」の蔵造りの建物。中に入ると、どこか昔懐かしい、温かな気持ちに包まれる。

松本民芸館外観
館内には、創設者である民芸品収集家、故・丸山太郎氏が集めた品々が並ぶ。家具などの調度品、かごや木箱、食器や壺、張り子やお面など、どれも名もなき職人の手で作られた国内外の民芸品ばかりだ。

収蔵する約6,800点のうち、常時700~800点ほどを展示している。

丸山氏、展示
誰が作ったのか、いくらくらいの価値があるか、ということではなく、ものの美しさを基準とした丸山氏。その考えは、自身の書「美しいものが美しい」に集約されている。

展示物、壺
展示品には、簡潔な名前と収集した場所が添えられ、詳しい説明はない。ここにも丸山氏の「その物の持つ美を直感で見てください」という思いが伺える。

壺、タンス?
収集品は、丸山氏が27歳から亡くなるまで50年近く、生涯をかけて集めたものだという。1962年に自費でこの民芸館を開き、1983年に土地、建物を含めて松本市に寄付。その遺志を継ぎ、現在は市立博物館附属施設として運営されている。

椅子、テーブル
丸山氏は収集家というだけではなく、松本・中町通りにある「ちきりや工芸店」の初代オーナー、版画や螺鈿(らでん)卵殻細工などを手がける民芸作家という側面も持つ。

特に卵殻細工は、日本民芸の祖と呼ばれる故・柳宗悦氏からも褒められたと言われている。

大きな器2つ
「クラフトフェアまつもと」や「工芸の五月」など、全国から工芸ファンが訪れるイベントが行われ、「クラフトの町」「民芸の町」と呼ばれる松本。まさにその根底を感じられる場所である「松本民芸館」へ、ぜひ足を運んでみよう。

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■松本民芸館
【住所】
長野県松本市里山辺1313-1

【開館時間】
9時~17時(入場は16時30分まで)

【休館日】
月曜日(祝日の場合は翌平日)、 年末年始(12月29日~1月3日)

【入館料】
大人(高校生以上)310円、中学生以下無料、障害者手帳携帯者とその介助者1名まで無料

【駐車場】
無料(19台)

【問い合わせ】
0263-33-1569

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