
昼夜の寒暖差に加え、豪雪地帯ならではの豊富なミネラルと養分を含んだ雪どけ水によって、柔らかくてみずみずしい露地栽培の作物に育まれている飯山市。
そんな飯山市で人気の道の駅「花の駅千曲川」が、2022年10月にリニューアルした。

かつては別々の建物だった農産物直売所と特産品売場が、木の温もりあふれる開放的なワンフロアに。通路が拡大してカートや車椅子利用もできるようになった。農産物や加工品の品揃えも今まで以上に充実している。

一角には「精米コーナー」も新設。飯山市は知る人ぞ知る米の産地で、その場で好みの米を選べば、精米したてのフレッシュな米を気軽に家庭で味わうことができる。
もちろん、すでに精米された米も販売。飯山市のコシヒカリは名産地・新潟県魚沼産と同等の高評価を受ける優良米だが、生産量が少ないため「幻の米」とされている。県外ではなかなか手に入らないため、希少なコシヒカリを求めて遠方から訪れる人も。

春は生産量全国トップクラスかつ長野県内でも随一の生産を誇るアスパラガス、初夏はタケノコ(根曲がり竹)、秋はキノコや野沢菜などが人気。特に鮮度が重要なアスパラガスは、採れたての味わいを求めて、シーズンは大変なにぎわいを見せる。
野沢菜漬けの種類の豊富さは県内随一とも言えるほどで、たっぷり入ったバケツ漬けも。自家製の野沢菜漬けを作るために、生の野沢菜を求めて県外から訪れる買い物客も少なくないとか。

また、地元の酒蔵が丁寧につくる上質な日本酒も、飯山市自慢の特産品だ。お隣、野沢温泉村のクラフトビール醸造所「
AJB(Anglo Japanese Brewing Company)」とコラボした限定地ビールも見逃せない。

旬の地元食材を使った料理を楽しめると評判のレストラン「Café里わ」は、リニューアルに伴い店内の席数が増え、広い空間で食事が楽しめるようになった。

定番は、大きくカットされた飯山産の野菜と、信州を代表する銘柄鶏「信州福味鷄」を使用したスパイシーな「里わカレー(900円)」。複数のスパイスをブレンドしたもので、複雑な辛味の中に味わい深さがある。
朝ごはん(7時30分~10時)のメニューでは「朝カレー」として提供され、温泉たまごがトッピングされて700円とリーズナブル。

朝ごはんはほかに、ワンコイン(500円)で楽しめる「たまごかけごはん(地元・吉越養鶏場の「菜の花みゆき卵」や地元の老舗味噌屋の味噌を使った味噌汁のセット)」や、厚切りトーストを使ったエッグベネディクト(700円)なども好評。観光客はもちろん、早朝から直売所に農産物を出荷しに訪れる地元客からも親しまれている。

昼ごはんには貴重な飯山産みゆきポークを味わえるメニューも。ほかに、「今月の昼ごはん」「今週の昼ごはん」も用意されているので、訪れるたびに新たな味わいに出合える。
初夏のアスパラガスのほか、夏場はズッキーニやナス、トマトなどの夏野菜、秋には伝統野菜の「常盤ごぼう」や「坂井芋」などを使った料理が登場予定だ。
コロナ禍で非接触が推奨される中、配膳ロボット「里にゃん」が活躍しているのも注目ポイント
さらに、ここで外せないグルメが「スノーキャロットソフトクリーム(420円)」だ。冬に雪の下で寝かせ、春に収穫するというこの地ならではの人参をたっぷり使用している。
人参独特のクセはなく、果物とはまた違う濃厚な甘さとほのかな酸味を感じる、オリジナリティあふれる味わいが楽しめる。

なお、店名「Café里わ」の由来は、北信州で生まれた髙野辰之の唱歌「おぼろ月夜」の歌詞にも登場する「里わ(里のあたり)」から。人のつながりを表す「輪」や「和」を大切にしたいとの願いも込められているそう。

また「花の駅」という駅名は、かつてこの場所が公園で、多くの桜の木に囲まれていたこと、そして道の駅がある国道117号線の約8kmは「フラワーロード」と呼ばれ、春の菜の花や桜をはじめ、地域の人が植えた多彩な季節の花を楽しめることが由来だという。花の雰囲気を感じるアロマオイルの香りが漂うトイレも評判だ。
豊富に揃うオリジナルグッズもおみやげにぴったり2023年秋には、かつての直売所や「Café里わ」の跡地に、アクティビティ拠点施設が新たにオープン予定。国内の人気アウトドアメーカー「モンベル」店舗と、アウトドアアクティビティ体験を案内するビジターセンターも併設されるという。まだまだ進化を続ける道の駅に目が離せない。
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