天下無双の江戸時代の力士・雷電為右衛門の生誕地で、クルミの特産地でもある東御市に2003年にオープンした道の駅「雷電くるみの里」。
雷電の9割6分2厘という勝率はいまだに破られておらず、東御市がクルミの生産量日本一であることにもあやかって「日本一の道の駅を目指そう」と命名された。
広い駐車場から建物に向かうと、立派な雷電の銅像が出迎えてくれる
館内の直売所は2018年にリニューアルし、より広く買い物がしやすくなった。
並ぶのは、300名ほどの直売組合の生産者による安心安全で新鮮な野菜や果物。組合では自主的に栽培講習会や安全講習会、意見交換などを行っており、常に品質の向上を心がけている。
信濃クルミはもちろん、秋はりんごやブドウなども豊富に揃うが、新規就農者を中心に珍しい西洋野菜を出荷する農家も少なくないのだとか。
そうした農産物を求めて近隣のレストランや割烹の料理人も買いに来るというから、クオリティもお墨付きだ。リピーターも多く、関東圏など県外から訪れる人も多いという。
道の駅側も入荷時に栽培手帳を確認し、毎月1検体を株式会社つくば分析センターに送り、残留農薬などの検査を行うなど農薬管理を徹底している。
おみやげコーナーには、クルミを使ったお菓子をはじめとする特産品が多数。地元産クルミが入った「雷電ぱい」や「クルミサンドクッキー」などが定番人気で、手作りの惣菜も並ぶ。
雷電の幼少期をイメージしたという、クルミだれの味噌を使った餅「わらじ焼き」や「クルミ入り恵方巻き」も。恵方巻きは年々人気が高まり、2022年の節分には1,333本も売れたという伝説的な売り上げを誇る。
地酒コーナーには、東御市と千曲川ワインバレーの個性豊かで質の高いワインが充実。地元のクラフトビールも種類が豊富に揃い、日本酒は「雷電」の名を冠したものもある。
併設の食事処「湯の丸」は、早朝から出荷する生産者のことも考え、なんと朝7時から営業。クルミを使ったメニューが存分に楽しめるのも嬉しい。
地元産そば粉を使って手打ちした蕎麦をクルミペーストの入ったつゆで味わう「くるみだれ手打ちそば(950円)」は香ばしい風味が特徴。その他、もち米とうるち米を使って東御市産のクルミをたっぷりまぶした「くるみおはぎ(2個・340円)」はオープン以来人気の郷土食だ。
「雷電丼定食(870円)」は、地元産のホエー豚(チーズ製造の際にできる乳清・ホエーで育てた豚)とクルミ味噌を使った焼き肉丼の定食。クルミと味噌の甘さや香ばしさを生かしたやさしい味わいでボリュームがあり、海苔と紅ショウガがアクセントになっている。
軽食が楽しめる屋外の「雷ちゃんカフェ」では、濃厚なくるみソフトクリーム(400円)が人気No.1。クルミのコクが後引くおいしさで、ファンが多い一品だ(ソフトクリームは食事処「湯の丸」でも提供)。
雷電をかたどった人形焼「雷電焼(200円)」は北海道産の黒豆を使った「黒豆あんこ」と、バニラビーンズを使った「クリーム」の2種類があり、どちらも地元産のクルミ入り。おいしさはもちろん、見た目もかわいいと評判が高い。
なお、隣接の「雷電資料館」では化粧まわしのレプリカや番付表などを展示中。入場無料で観覧できる(開館9時~18時)。
「日本一きれいな道の駅」を目指す施設の美しさも、この道の駅の大きなポイントだ。清掃や管理を徹底して行い、写真や花が飾られたトイレは美しく快適。何度でも訪れたくなる環境が整えられている。
さらに、特筆すべきは道の駅と地域との強い連携にある。毎年7月の「浅間サンラインボランティア清掃活動」には市内外から数百人が集まり、周辺のゴミ拾いを実施(コロナ禍を経て、2022年は3年ぶりに開催)。地元農家と連携したクルミや野沢菜の収穫体験、秋の収穫祭など、地域一丸となって道の駅を盛り上げている。
道の駅「雷電くるみの里」を訪れる際は、そんな地元とのつながりも感じてみたい。
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